ねじに関する情報
様々な種類のねじがありますが、いったいどれを選んだらいいのか分からない方や、もっとねじのことについて詳しく知りたい方向けの情報を掲載しています。
ねじには、色々な材質が使用されています。
鉄・ステンレス…など、なじみのものから普段聞かないような材質まで詳しく紹介します。
ステンレス(SUS)とは
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ステンレス(Stainless)とはステイン(Stain)汚れ、とレス(Less)無いの造語で、12%以上のクロムを含んだ錆びにくい金属のこと。
その主成分は鉄ですので絶対に錆びないということは有りませんが、錆びにくいその秘密は「不動態化被膜」です。
鉄に12%以上のCr(クロム)を含ませると、鉄が酸化するよりも先にCr(クロム)が酸化し、表面全体に酸化クロムの膜ができます。
この膜は、無色透明でとても薄いので肉眼では識別できません。
しかし、この膜は化学的に安定で(化学変化しにくい)とても強固です。
また、ち密で酸素を通さないので酸化鉄(さび)の発生を防ぎます。この酸化クロム膜は加工・切断などでキズついても、Cr(クロム)が適量(12%以上)あれば空気中の酸素と結合してすぐ再生します。ただし、この膜を再生するときにステンレス内部のCr(クロム)の含有率は低くなっていきます。ニッケルはこの不動態をもっと形成しやすくする働きをします。
このようにCr、Niの量が多いほど錆びにくくなるのです。
【参考】SUSとはStainless Used Steelの頭文字をとったものです。
マルテンサイト系ステンレス...SUS410
↑ページ上部へマルテンサイト系ステンレス(Cr系-13Cr)
代表SUS410
この鋼種は焼入れによる硬化性が優れているので耐摩耗製品に多く使われてる。
ねじのドリルビス・ボルト・刃物・ベアリング・ブレーキディスク・バルブ・などにも多く使われております。
しかし、磁性がある様に、耐食性が他の鋼種に比べる劣る為、ベーキング処理・パシペート処理・スズめっき等、表面処理を施して用途に応じた対応が出来るようになって来ましたが、取り扱いや、使用環境には注意も必要です。
フェライト系ステンレス....SUS430
↑ページ上部へフェライト系ステンレス(Cr系-18Cr)
代表SUS430
この鋼種は焼入れによる硬化はできません。
磁性あり、耐食性はマンテルサイトよりは優れている。
ねじ等にも使われているが、特徴のひとつでもある熱の大きな変化に対しての繰り返しストレスに強いので、特に熱を利用する機器での使用が多い。
熱交換器・温水漕・厨房機器・建築金物等に多く使用されている。
オーステナイト系ステンレス....SUS304・MX
↑ページ上部へオーステナイト系ステンレス(Cr-Ni系-18Cr-Ni)
代表SUS304・XM7
この鋼種はステンレスの中でも高耐食性・耐薬品性・強靭性に優れ、非磁性であり焼き入れ硬化はしないが加工硬化性が著しいため、ねじ部品の約80%がオーステナイト系で作られ機械の恒久部品から、原子力発電で使われる冷却水のパイプまでその用途の多さと信頼性は抜群です。
錆びにくさを優先させるため、炭素は0.08%以下に抑えてありますので硬くなりません。
色はニッケルが入っているため若干薄金色がかっていまして、高級感があります。
析出硬化系ステンレス....SUS631
↑ページ上部へ析出硬化系ステンレス(Cr-Ni-CU系)
代表SUS630・SUS631
CuやAlの添加で析出硬化特性を持たせた鋼種です。
析出硬化とは、一般の炭素鋼の焼き入れとは違い、含まれる合金成分を析出させることによって硬くする「固溶化処理、溶体化処理」と呼ばれる処理をします。
耐熱・耐食・高強度(10T相当)の要求される物に用いるが、性質は熱処理により選定できる。
またねじ製品としては、まだ一般的には各メーカーとも標準品としては販売していない。
SUS403とは
↑ページ上部へマルテンサイト系で熱処理後の靭性(材料の粘り強さ)を改良した耐熱鋼で、 Niを含むCr鋼であり、410、430より耐食性が向上している。磁性あり。
用途
ナット(切削)(熱間)・ボルト(熱間)
SUS410とは
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SUS410とは熱処理ができるステンレス鋼です。
マルテンサイト系で鉄が約87%と多く、その中に含まれるC(炭素)も多いので熱処理が出来ます。
セルフドリリングスクリューやタッピンネジに使用されます。
一般の熱処理では、ステンレス鋼の場合、Cr(クロム)が炭化して黒く、もろくなってしまいます。
ですからステンレス鋼には、「窒化熱処理」を行います。 磁性あり。
用途
ドリルネジ・タッピンねじ・Sタイト・コーススレット・軽天ビス
SUS430とは
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フェライト系ステンレスの代表的鋼種。
特徴」として冷間加工が容易で加工硬化もほとんどなく、熱処理して急冷しても硬化しません。
また耐食性も優れ、常温で磁性があります。
木ねじ・建築内装用・家庭用品・自動車部品等に使用されている。 磁性あり。
用途
小ねじ、木ねじ、切削ナット、中空リベット
SUS303とは
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SUS303とは、切削加工用のステンレス鋼です。 ステンレスは硬くて、熱がこもりやすく、熱膨張しやすく、さらに、ねばくて切削加工しにくい材料です。
SUS304の切削性を改善するために、P(リン)とS(イオウ)を添加したのが快削鋼SUS303です。
快削鋼SUS416はマルテンサイト系で熱処理が可能です。
用途
切削加工品
SUS304とは
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SUS304とは最も代表的なステンレス鋼です。
オーステナイト系で、18%のCrと8%のNiが主要成分です。
「18-8ステンレス」と呼ばれたりもします。
耐食性は優れていて、機械的性質も良好です。
家庭用品から工業用品まで広く利用されています。
冷間加工によって硬化し、磁性が発生することもあります。磁性微弱あり。
SUS304=Cr18%+Ni8%
用途
ボルト(熱間)、ナット、割りピン、ワッシャー、寸切り
SUS304N1とは
↑ページ上部へオーステナイト系304にNを添加し、金属の延性(金属材料を線や棒の様に細く、長く引き延ばす事の出来る性質)の低下を抑えながら強度を高め、材料の厚さ減少の効果が有る。
用途
スプリングワッシャー
SUS304J3とは
↑ページ上部へオールステナイトで304にCuを添加し、SUS304とSUSXM7との中間成分で冷間 加工性と非磁性を改善し、コストダウンを図った鋼種。磁性微弱あり。
用途
ボルト(冷間)
SUS305JIとは
↑ページ上部へオールステナイトで305の低炭素で、CrとNiの量を調整し加工硬化性(金属材料を冷間加工すると、強くなり、展延性である線や棒の様に細く、長く引き延ばしたり、板や箔の様に薄く圧延する性質が減少する事)を向上させた改良網。磁性微弱あり。
用途
タッピンねじ、冷間蝶ナット
SUS310Sとは
↑ページ上部へオールステナイトで耐食性は304より優れ、耐酸化性も309Sより優れているが、 実際は耐熱網として使われることが多い。磁性なし。
用途
ボルト(熱間)、ナット(切削)、平ワッシャー
SUS316Lとは
↑ページ上部へ
SUS316を加工しやすくしたステンレス鋼がSUS316Lです。
SUS316は、硬い金属(Cr、Ni)が多く含まれていて、かなり加工しにくいステンレス鋼です。
そこで、炭素の量を低くすることですこし柔らかくなり加工しやすくなります。
「L」はローカーボンを表します。
SUS316=Cr18%+Ni12%+Mo2%+C(0.08%以下)
SUS316L=Cr18%+Ni12%+Mo2%+C(0.03%以下)SUS316とSUS316Lの大きな違いはC(炭素)の含有量ですがSUS316Lの「0.03%以下」というのはSUS316の「0.08%以下」に含まれます。
ネジやボルトなどで316の注文に対して、316Lを納品することは一般的には問題ありません。磁性なし。
用途
ボルト(冷間)、キャップボルト(皿・ホーロー)、Uボルト、小ねじ、ナット、ばねワッシャー、平ワッシャー
SUS316とは
↑ページ上部へ
SUS316とはオーステナイト系ステンレス鋼のなかでも特に、耐食性の良いステンレス鋼です。
SUS316は、SUS304に耐食性のよいMo(モリブデン)を添加したものです。
また、Niの増量によって耐食性をよりよくする効果があります。
化学薬品用にも使用されます。磁性なし
SUS316=Cr18%+Ni12%+Mo2%
SUS304=Cr18%+Ni8%
用途
ボルト(熱間)、小ねじ、ナット(切削)袋・蝶・U・ハードロックナット、平ワッシャー、舌付W
SUSXM7とは
↑ページ上部へ
SUSXM7とはSUS304を加工しやすくしたステンレス鋼です。
SUS304の短所は冷間加工性がよくないことです。
加工によって硬化し、「割れ」や「欠け」が発生することもあります。
また金型や工具の寿命も短くコスト高になります。
そこで柔らかい金属のCu(銅)を添加して加工硬化性を抑え冷間加工しやすいステンレス鋼がSUSXM7です。
耐食性や強度はSUS304と同等です。
現在SUS304はヘッダー材としてはほとんど使用されていません。
SUS304=Cr18%+Ni8%
SUSXM7=Cr18%+Ni9%+Cu3%
ステンレスの鋼種名は、SUS304やSUS410などのようにSUSの後に3桁の数字がつきます。
SUSXM7のような鋼種名は独特ですがJIS規格にも認定された鋼種です。
XM7というのは開発中のナンバー名で、その性能がとても優れていたため、通称"XM7"で市場に広く流通されていました。
後にJISに認定されるとき(1977年)には、XM7という名が浸透していたので、そのまま「SUSXM7」が採用されました。磁性微弱あり。
用途
小ねじ、タッピンねじ、木ねじ類、六角ボルト、ナット、キャップボルト、ホーローセット
SUS631とは
↑ページ上部へ析出硬化系ステンレスでAlの添加で析出硬化性を持たせた鋼種で耐熱・耐食・高強度等優れている。 スプリング、ワッシャー等に使用されている、がねじ製品としては、まだ一般的には各メーカーとも標準品としては販売していない。
SUM24L
↑ページ上部へ特性は炭素鋼の被削性を向上させる為に硫黄を添加してつくられた快削鋼材である。同一炭素量の炭素鋼に比較して強靱さが劣る為、応力の集中しやすい形状をもった部品への使用には不向き。被削材名の末尾に「L」のついたものは、鉛を含み被削性は非常に良好となる。被削性を工具寿命のみに着目して表わすアメリカでの一方法として、被削性指数(被削率)の基準となる鋼材である。
用途
強靱さをあまり必要としない機械部品に広く使用される。
SUS416
↑ページ上部へこの鋼種はマルテンサイト系ステンレス鋼で13Cr-0.1C-高Sが主成分で、被削性がステンレス鋼中最良の鋼種であり、高S快削ステンレス鋼として冷間加工されたものは、もっとも削りやすいが、焼なまし状態であると、延性が大きくなって、削りにくくなる。用途は自動盤用等に使用されている。
SUS420J2
↑ページ上部へこの鋼種はマルテンサイト系ステンレス鋼で成分13Cr-0.3Cを含み、SUS420J1より焼入れ後の硬さが高い鋼種。被削性は冷間加工されたものは最も削り易いが、焼なまし状態のものは、延性が大きく削りにくい。
用途
刃物、ノズル、弁座、バルブ、直尺
SUS420F
↑ページ上部へこの鋼種はマルテンサイト系ステンレス鋼で成分13Cr-0.3C-高Sを含み、SUS420J2の被削性改良品で、冷間加工されたものは最も削り易いが、焼なまし状態のものは延性が大きく削りにくい。
用途
刃物、ノズル、弁座、バルブ、直尺
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