
ねじNO1.comでは「小ねじ・座金組込小ねじ・タッピンねじ・いたずら防止ねじ」を対象に、亜鉛ウィスカを抑制する環境対応型亜鉛メッキ「ゼロウィスカSメッキ」を新たに大量追加いたしました。これにより、亜鉛ウィスカのリスクにお悩みのお客様へより高品質な製品をご提供いたします。
それに伴い、こちらのページではゼロウィスカSメッキについてや、亜鉛ウィスカのリスクなどをご紹介しております。ご理解を深めていただき、商品選択のご参考にしていただけますと幸いです。
※弊社ではゼロウィスカSメッキを「ノンウィスカ三価ホワイト・ゼロクロムSB(黒)」等と表記しております。詳細についきましては、下記「ゼロウィスカSメッキは2種類あります」をご覧ください。
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ゼロウィスカSメッキ(亜鉛ウィスカを抑制する環境対応型亜鉛メッキ)は、特定のメッキ浴組成で内部応力を低く抑えるメッキをすることにより、亜鉛ウィスカ(*1)が発生しない亜鉛メッキ技術のことです。
通常の亜鉛メッキでは亜鉛メッキ被膜中の内部応力が40MPaを超えるため亜鉛ウィスカ発生の可能性がございますが、ゼロウィスカSメッキでは10MPa程度と非常に低く抑えられるため、亜鉛ウィスカの発生を抑え電子機器のショート等を防ぎます。
*1:亜鉛ウィスカについては、下記「亜鉛ウィスカとは?」をご覧ください。



弊社取扱いゼロウィスカSメッキは、六価クロムフリーと完全クロムフリーの2種類に分けられ、それぞれ下記のような特長がございます。
六価クロムについて詳しくはこちら>>
六価クロムフリーに分類されるゼロウィスカSメッキは「ノンウィスカ三価ホワイト」と「ノンウィスカ三価薄黄色」となります。ノンウィスカ三価ホワイトの被膜は三価クロメートで白い色目が特長です。ノンウィスカ三価薄黄色の被膜は三価クロメートで薄黄色の色目が特長です。
完全クロムフリーに分類されるゼロウィスカSメッキは「ゼロクロムSB(黒)」です。被膜はクロムフリーとなり、黒い色目が特長です。尚、ゼロクロムS(黄)は無くなり次第廃盤となり、後継はノンウィスカ三価薄黄色となります。


ゼロウィスカSメッキの一番のメリットは亜鉛ウィスカ(*1)を発生させないことです。亜鉛ウィスカによって起こり得る電気的短絡(ショート)やシステムダウンなどを防止し、電子機器等の品質安定化を図ることができます。その他、価格面においては比較的安価でありながら、作業性にも優れた製品です。
*1:亜鉛ウィスカについては、下記「亜鉛ウィスカとは?」をご覧ください。

弊社では完全クロムフリーの表面処理「ノンクロムメッキ白・黒」の取扱いもございますが、こちらにつきましてはゼロウィスカ処理が施されていない商品となりますのでご注意ください。

亜鉛ウィスカとは、亜鉛メッキを施した鋼材のメッキ被膜から発生・自然成長する亜鉛のヒゲ状結晶のことで、これら微細なヒゲ状結晶は直径が1~2μm、長さは10μm~数mmと非常に小さいことが特長です。
※1μm(1マイクロメートル)=1/1000mm

亜鉛ウィスカの発生原因には、亜鉛メッキ被膜の内部応力の関与や温度変化の影響・艶消し処理不足・酸化によりウィスカの発生を促進・製造プロセスの問題など、一部のメカニズムは解明はされていますが、根本的な原因については不明な点があるのが現状です。

亜鉛メッキを施した鋼材から発生した亜鉛ウィスカが浮遊し、コンピュータ機器内に入り込みプリント基板や端子部分で電気的短絡(ショート)を起こすことが指摘されています。
2002年1月社団法人電子情報技術産業協会 JEITA(ジェイタ)のホームページにて指摘されて以来、亜鉛ウィスカへの留意と対策が求められています。

ねじ・筐体内ボックス・支持脚・ドアノブや引手などの建具金物など、亜鉛メッキは防錆効果が高く、表面を美しく保つことができるため、様々な製品に使用されています。

複数のコンピュータ・サーバー・データ保管機器などが設置された場所では通常24時間稼働の床下空調のため、メッキ表面から折れて浮遊した亜鉛ウィスカが空調によって拡散され、電算機内に入り込んだことが原因で電算機内・プリント基板などに付着し、短絡(ショート)させシステム障害が発生しています。
その他に、自動車や鉄道車両においても亜鉛ウィスカによる強度低下などの問題が発生した例があります。

いかがでしたでしょうか?近年注目されている亜鉛ウィスカを抑制する環境対応型亜鉛メッキは有害なクロムを含まない表面処理となるため、環境にやさしく、また耐食性にも優れているため、電子機器周辺のみならず、自動車や建築などの分野でも広く用いられ始めています。
なにより、特定のメッキ浴組成で内部応力を低く抑えるメッキをすることで亜鉛ウィスカを発生を抑え、ショートなどのリスク対策を行えることがこの表面処理の最大の特長といえます。
ねじNO1.comでは今後も環境対応型ねじの取扱いを増加して参ります。ウィスカリスクでお困りの方は、是非この機会にお買い求めください。